世界史に残る超巨大国家・モンゴル帝国を打ち立てたテムジン(後のチンギス・ハーン)。
彼は父が亡くなってしまったため幼少期や青年期に苦労して育つことになります。
幼少期から青年期に苦労したテムジンですが、多くの人びとが彼を支えました。
テムジンの母・ホエルンもテムジンを支えた一人です。
彼女がいなければテムジンの人生は数十年で終わり、モンゴル帝国が世界史に残ることはなかったと思われますが、テムジンの母・ホエルンはどのような人物だったのでしょうか。
今回はテムジンの母親ホエルンについてご紹介してきたいと思います。
ホエルン婚約
テムジンの母・ホエルンは史実によればオルクヌウト族の出身の女性です「テムジン紀」のホエルンはイェスゲイの元へ嫁いだとされています。
史実によれば、ホエルンはイェスゲイの元へ嫁ぐ前にメルキト族の男性の元と結婚しようとしていました。
イェスゲイは鷹狩りの途中で、メルキト族の男性とホエルンを発見。イェスゲイは領地に帰り、兄と弟を誘ってメルキト族を襲撃し、ホエルンを奪ってしまうのでした。
どうしてイェスゲイはメルキト族を襲撃したのか。それはオルクヌト族とモンゴル族は代々通婚関係を築いていました。
しかしモンゴル族と敵対関係にあったメルキト族の男性へオルクヌト族の女性が嫁がれようとしている事に代々のしきたりを破っている事にイェスゲイが怒り、メルキト族を襲撃したとされています。
こうしてホエルンはメルキト族ではなく、モンゴル族であるイェスゲイ達兄弟に奪われ、イェスゲイと結婚することになります。
ホエルンと四人の息子たち
ホエルンはイェスゲイと結婚すると四人の息子たちと娘を授かります。
ホエルンは長男をテムジン。
次男をカサル。
三男をカチウン。
四男をテムゲ。
そして女の子にはテムルンという名前をつけて可愛がりました。
テムジンは生まれた時「血の塊」を握っていたそうで、伝説として「新征録」や「集史」と呼ばれる書物に記載されたそうです。
ちょっと不気味なテムジン誕生秘話ですが、やはり歴史に名前を残した人には不思議な伝説が残るのかもしれませんね。
ホエルンの夫・イェスゲイ死す!!
ホエルンは五人の子供たちに囲まれながら平穏な日々を暮らしていくことになりますが、大事件が発生。
それはホエルンの夫・イェスゲイが亡くなってしまうのです。
どうしてテムジンは亡くなってしまったのでしょうか。
彼が亡くなるまでの行動を史実から紹介したいと思います。
イェスゲイはテムジンを連れて、テムジンの嫁探しの旅に出ます。
イェスゲイはコンギラト族の元に立ち寄り、コンギラト族の娘で「表情に光あり、眼に火を持つ」ボルテと呼ばれている女性をテムジンの嫁に迎え入れることに決め、テムジンをボルテの元に置いて、帰っていきます。
イェスゲイは喉が渇いていたので、タタル族が宴会をやっている所で喉を潤した後、再び自分の領土に帰ってきます。
タタル族はイェスゲイが自分たちを捕えた恨みを晴らすため、彼の飲み物に毒を仕込んでおきます。
イェスゲイは毒が入っているとは知らず、タタル族から出された飲み物を飲んで喉を潤しますが、体調があまり良くなく、自分の領土に到着すると胸が苦しくなって悶え、その後亡くなってしまいます。
子供たちを守るホエルン
ホエルンはイェスゲイが亡くなったことを知り、ショックを受けてしまいます。
夫イェスゲイが亡くなり悲しみに暮れていたホエルンに追い打ちをかけるような事件が勃発します。
その事件はタイチウト氏がイェスゲイに従っていた遊牧民を引き連れて、違う場所へ領土を移してしまったことです。
ホエルンは夫に従っていたタイチウト氏に抗議をしますが、タイチウト氏の族長達はホエルンの言葉を聞き捨てて移動。
ホエルンはイェスゲイの家財のみを管理する権利を手に入れますが、遊牧民たちが居なくなってしまった事で苦労することになります。
ホエルンは遊牧民達が居なくなっても夫・イェスゲイの遺児を養っていくため、木の実を拾ったり、山りんご等を拾ってきてなんとか遺児たちを養っていきます。
テムジン達も母を養うため、獣を狩ったり、川で魚を取ったりしながら生活をしていくことになります。
こうしてホエルンは遺児たちを養うため、苦しくて辛い時期を過ごしていくことになりますが、なんとかテムジンら子供たちを成長させるのでした。
ホエルンに起きて5つの出来事を紹介しました。
ホエルンに起きて5つの出来事を紹介しました。
管理人ネコ・ボスの感想
「今回はテムジンのお母さんを紹介したんだにゃ。」
「私は幼い頃に母親と別れてしまったから、あまり思い出がないのだが、テムジンのお母さんのような人ならもう一度あってみたいと思うにゃ」
「早婚して子供を殺害してしまう物騒な事件が起きているが、そのようなことをしてしまう母親たちにホエルンを見習って欲しいにゃ!!と思う今日この頃だ」と述べてから暖房のかかる部屋で寝てしまうのでした。
参考文献 モンゴル秘史など
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